サッカーと書評生活

サッカーが好き、本が大好きです

今尾恵介責任編集「地図と鉄道」

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洋泉社 2017年5月26日

今尾恵介さんといえば今や「乗り鉄のカリスマ」です。

そして「地図と鉄道」といえば、むかし堀淳一さん、いまは今尾恵介さんです(堀さんは90を越え今なお現役ですが)。「鉄好き」と「地図好き」は堀さん、今尾さんを含めてオーバーラップしている方がかなりをしめているものと思います。そんな方にはうれしい一冊がいま世に出ました。

鉄道の歴史つまりは線路変更や廃線、あるいはある事情により未完に終わった路線は新旧の地図から見つけまた地図を手に実際に訪ねることができます。

そんな知的楽しさがこの本には満載されています。

今尾さんにしては、かなりのワイルドな探索もされていると思いきや、その部分は廃道研究家の石井あつこさんが書かれていました。なるほどそれで責任編集と銘打っているのだと納得しました。

今尾さんも石井さんも堀淳一さんに代わって私が主宰者を引き継いだコンターサークル-Sの会員でもあります。そういった関係者がこんな素晴らしい本をつくったことに感銘を受けました。

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今読み終わった本 バルカンー「ヨーロッパの火薬庫」の歴史

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マーク・マゾワー著 川上廣美訳 
中公新書 2017年6月25日 中央公論新社 920円+税

今読み終わったところです。

なかなかおもしろかったです。多民族が交錯して今も紛争の絶えない「バルカン半島」

日本人にはその背景がなかなかわからない地域ですね。

基本的には、ヨーロッパでありながらビザンチン(東ローマ)帝国とそれに続くオスマントルコの支配が500年にわたった地域で、よって宗教は基本的に東方正教とイスラム。ローマカトリックとそれから派生したプロテスタントが支配的な西欧とは異なった歴史を持っています。民族的にはギリシャ、アルバニア、スラブ、ラテン、トルコ他と極めて複雑。

オスマン・トルコ時代、人々は民族よりも宗教がアイデンティティーのよりどころで、スラブ人でもモスリムならばトルコ人、正教徒ならギリシャ人あるいはローマ人でした。

ビザンチン文化を引き継いだオスマン・トルコは支配者はモスリムでも、キリスト教徒(正教徒)、ユダヤ教徒はともに共存、相互の入れ替えもあり。ギリシャ人、セルビア人、トルコ人といったナショナリティもあまりなし。きわめてゆるやかな共存社会がそこにあったということです。

そんなところに、西欧流の国民国家のイデオロギーを持ち込んで、国民国家を造ろうなどというものは、バルカン住民のナショナリティの希薄さ、民族の混住状況からほとんど不可能なであったことがわかりました。そこに西欧諸国やロシアなどが介入しさらに複雑にしてしまったんですね。結局、ギリシャなり、ブルガリアなり、セルビアなりあるいはトルコ共和国などの国民国家は誕生し、オスマン帝国は解体されたわけです。

しかし、20世紀後半から21世紀初頭にかけて悲惨な旧ユーゴ紛争経てこの地域に安定は訪れていません。それどころか、欧州・中東を中心に、民族・宗教を背景としたテロ・紛争が絶えません。ひょっとするとオスマン・トルコが支配していた時代がこの地域の最も平和な時期であったのかもしれません。

西欧中心の欧州史しか知らない我々にももう一つのヨーロッパの歴史を知らしめ、民族とは?宗教とは?国家とは?を考えさせる一冊ではないかと思います。

Footballista (フットボリスタ)7月号

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株式会社ソル・メディア 平成29年7月1日 900円(税込み)

Footballista誌、週刊で薄っぺらかったころからのファンです。ヨーロッパサッカーの専門誌ですが、世界のサッカーの最新の情報を余すことなく伝えてくれています。私にとってはいまのサッカー界のトレンドを知ることができる最も信頼を寄せるサッカー誌です。執筆陣は主に現地在住の若く野心的サッカージャーナリストで誌面には活気があふれています。

今は欧州は国内リーグ、国内カップ、UEFA主催のCL, ELも終わり16/17シーズン総括の時期となっています。この最新7月号はその総括が一冊に凝縮されていて、まさに保存版といって良いでしょう。表紙を飾った今季限りで引退を決意した涙目のT.トッティ(ASローマ)はそれだけでもうお宝物です(私は2002年、札幌ドームでのイタリアvsエクアドルでコーナーキックを蹴るトッティを間近で見ました)。

ウィークエンド・フットボール・レビュー 2017-06-14

クラブレベルのヨーロッパのサッカーシーンが終了し、代表レベルのサッカーの時期となりました。いまは全世界でW杯予選並びに代表親善試合が行われています。一方、極東の島国では世界のサッカーカレンダーを無視するかのように、ひとり(ではないが)リーグ戦が行われています。

さて世界のW杯予選ですがそのトピックをあげてみますと、先日取り上げた欧州予選でのアンドラがハンガリーを破ったことがひときわ目につきます。ほか、アジア予選A組で韓国がカタールに敗れていました。

私が、ここ数日のテレビでみた試合は

①欧州予選I組、アイスランド対クロアチア
レイキャビクで行われた。アイスランドホームの試合ですが、アイスランドが終了間際の得点で1-0で、モドリッチ、マンジュキッチら欧州ビッグクラブでスタメンを張る選手たちを擁する強敵クロアチアを破りました。アイスランド代表は昨年のユーロでイングランドを倒し8強に進んで世界を驚かせましたが、いまやその実力は本物でしょう。欧州予選I組で首位と同勝ち点の2位につけています。

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決勝ヘディングゴールのアイスランドDF H.マグヌソン

②アジア予選B組、イラク対日本

昨日のイラク・ホームの中立地イラン・テヘランでの試合です。
この日大変眠くて眼をこすりながら、やっと見ていました。居眠り中に日本が先制点。このままいけると思ったら、後半守備の連係ミスで失点。勝てる試合だったのに勝ち点2をみすみす逃してしまいました。
代表戦ではあのような場合セーフティーで蹴り出すのが鉄則でしょう。日本の守備陣の連係ミスで痛い失点。
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日本の失点シーン

その他では、実は日本は早々に負けてしまい忘れられた感のU-20ワールド・カップが実はつい先日まで行われていて、6月11日の大邱での決勝ではイングランドがベネズエラを下して優勝を飾っていました。

イングランド
、意外なようですが今回が初優勝。2位がベネズエラというのも意外というか注目です。ベネズエラ、代表レベルでは南米最弱で野球国(そう、ベイスターズ監督のラミちゃんの母国です)のイメージですが、これから間違いなく強くなるでしょう。要注目の国です。

ところで、欧州ではシーズンが終わり、代表の選手たちは代表戦に専念できるわけですが(その他の選手はバカンス突入)、我が日本の選手の多くはリーグ戦との掛け持ち。代表チームのパフォーマンスとしてはどちらが良いのでしょうか?

アンドラが世紀のアプセットを演じる。

私はアンドラの地図を持っています。公式図ではありませんが、民間発行のハイキング用のものですが、4万分の1で全土を網羅しています。但し、アンドラの公用語がカタルーニャ語であり発行元がスペインのバルセロナなので凡例や付属の解説書はカタルーニャ語のみなのでさっぱりわかりません。15年位前に、東京出張のおりに、三省堂内のマップハウスで買いました。

日本との関係でいえば、数年前の織田裕二主演の映画「アンダルシア・・・・・・」の舞台となりました(スキーのシーンは日本で撮ったのが明白でしたが・・・・)。つまりピレネー山中のスキー・リゾートかつTax Heavenであることがこの映画のキーポイントでした。

                      地図題名・凡例とアンドラ北東端



首都アンドラ・ラ・ベーイリャ付近

カタルーニャ語での解説書

アンドラ全土の地勢図(webより)

ところで、なぜアンドラなのか?といいますと、6月10日にアンドラの首都アンドラ・ラ・ベーイリャ行われた2018年W杯ロシア大会の予選が行われたグループBで、アンドラが1-0でハンガリーを下すという世紀の番狂わせが起きたのです。


ハンガリーに勝利して歓喜のアンドラの選手たち(2016-06-10,  Andorra La Vella)

アンドラは欧州の小国の中でもFIFAやUEFA に加盟したのが1996年からと歴史が 浅く、公式戦で勝ったのはやはりホームでの対マケドニア1-0で勝っただけの。今回が2勝目なのだそうです。親善試合も含めればベラルーシ、アルバニアにも勝っていますが、W杯・ユーロ予選では全敗で終了することも珍しくない調弱小国でした。


相手のハンガリーは、オリンピック優勝歴もあり1950年代はブラックマジャールと恐れられたサッカーの伝統国で人口は1000万人。一方アンドラの人口は7万人(国籍保有者はそのうちの36パーセント)ですから、そのアプセットの凄さがわかると思います。(さきのユーロでアイスランドがイングランドと倒した時とほぼ同じ人口比、ただし国籍所有者の割合からするとその倍のインパクト)


という訳で今回珍しいアンドラの地図を紹介させていただきました。